愛犬のダイエット!「食べて痩せる」犬の食餌と計算方法

避妊・去勢手術後の「太りやすさ」に悩むあなたへ。獣医師が教えるダイエット成功の法則

「手術が終わってひと安心。でもなんだか最近、うちの子が丸くなってきた気がする……」
診察室でよく伺うお悩みです。避妊・去勢手術後の代謝低下はごく自然な生理現象。今日は、愛犬の健康を真剣に考える飼い主様のために、無理のないダイエット術をまとめました。

1. BCS(ボディコンディションスコア)について

まずは今の体型を客観的に評価しましょう。体重の数字以上に、触った時の感覚が重要です。

まずは「触って」肋骨を確認してみましょう BCS評価基準 視覚的な基準:私たちが目指す理想はBCS3(中央)です

スコア 状態 解説
BCS 1 痩せすぎ 肋骨、腰椎、骨盤が外から容易に見える。脂肪が全くない。
BCS 2 痩せ気味 肋骨が容易に触れる。上から見て腰のくびれが顕著。
BCS 3 理想的 肋骨に適度な脂肪があり、上から見て「くびれ」がある。
★ここが私たちの目指すべき理想です!
BCS 4 やや肥満 脂肪が厚く肋骨に触れるのが難しい。くびれがほぼない。
BCS 5 肥満 厚い脂肪で肋骨に触れない。上から見ると樽のような形。

ワンちゃんも特にシニア期に入ると、体重の増加は足腰への大きな負担になります。理想の体重を維持することは、将来の関節トラブルや心臓病を防ぐ「最高の予防医療」になります。愛犬が一日でも長く元気に歩き続けられるよう、今日から意識を変えていきましょう。

2. カロリー計算の正しい進め方

「なんとなく」の給与量から卒業しましょう。計算は2ステップです。

ステップ1:安静時エネルギー要求量(RER)

生命維持に最低限必要なカロリーを算出します。

体重(kg) × 30 + 70 = RER(kcal)

例:5kgのワンちゃんなら、5 × 30 + 70 = 220kcal となります。

ステップ2:1日の必要カロリー(DER)

手術の有無やライフステージに合わせた「係数」を掛け合わせます。

ライフステージ係数 避妊・去勢後は係数が低くなる点に注目です RER × 係数 = 1日の必要カロリー(DER)

3. ほんの一口が招く「衝撃の事実」

「ちょっとだけなら…」と与えているおやつ。人間とワンちゃんでは体重が全く違うため、その一口の重みが異なります。

おやつを与える場合は、1日の総摂取カロリーの10%以内に収め、その分メインのご飯を減らすのが基本です。小型犬にとってのクッキー1枚は、人間にとってのハンバーガー1個分に相当することも忘れないでくださいね。

4. 空腹感を和らげる「ご飯のかさまし」

ご飯の量を減らして寂しそうな顔をされるのは辛いですよね。そんな時は低カロリー食材を賢く使いましょう。

★院長おすすめ!かさまし三種の神器

  • 茹でキャベツ:食物繊維で満腹感をサポート。
  • 豆腐(湯通し):良質なタンパク質の補給。
  • 寒天:水分たっぷりでお腹を膨らませます。

5. 特別療法食の活用

市販のフードではどうしても痩せない場合、動物病院専用の「特別療法食」が非常に強力な味方になります。科学的に代謝を助け、満腹感を維持する設計がなされています。当院ではその子の状態に合わせたフードを処方しています。

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