大切な愛犬や愛猫と暮らす飼い主様、日々の生活の中で健康管理について「何をすればいいの?」と疑問に思うことはありませんか?特に、春先になるとよく耳にする「フィラリア予防」や「ノミ・マダニ対策」は、愛犬・愛猫の命に関わる極めて重要な予防医療です。この記事では、獣医師の立場から、2026年の最新トレンドに基づいた正しい予防期間、人にも感染する恐怖の感染症「SFTS」の危険性、当院が自信を持っておすすめするお薬、万が一の飲み忘れ時の対処法まで徹底的に解説します。

【この記事の結論】
フィラリア症は、正しいスケジュールで予防薬を投与すれば、100%防ぐことができる病気です。しかし、自己判断での投与中止や、1回だけの飲み忘れといった「落とし穴」によって感染してしまう愛犬・愛猫は後を絶ちません。近年特に危険視されているノミ・マダニ媒介性の感染症対策も含め、正しい知識で大切な家族を守りましょう。
1. そもそも「フィラリア症」とは?なぜ予防が必要なの?
予防を始める前に、まずは「フィラリア症(犬糸状虫症)」がどのような病気なのか、その特徴と恐ろしさを正しく知ることから始めましょう。

フィラリアの恐ろしい感染経路
フィラリア症は、蚊を媒介して動物から動物へと感染する寄生虫疾患です。以下のようなステップで感染が成立します。
- すでにフィラリアに感染している動物を蚊が吸血し、血液中の「ミクロフィラリア(微小幼虫)」が蚊の体内に入ります。
- 蚊の体内で幼虫が、他の動物に感染できる状態(感染幼虫)にまで成長します。
- その蚊が、健康な犬や猫を吸血する際、唾液とともに幼虫が体内に侵入します。
つまり、「蚊に一箇所でも刺されること」が、すべての感染の始まりとなります。
犬が感染したときの症状と進行
体内に侵入したフィラリアの幼虫は、数ヶ月かけて皮膚から筋肉、そして最終的には血管内を通って心臓や肺動脈へと到達し、そこで20〜30cmもの細長い成虫に成長して寄生します。心臓に虫が居座るため、全身の血液循環が妨げられ、以下のように段階的に深刻な症状が現れます。
- 初期(無症状): 体内に虫がいても、目立った症状は現れません。これが最も厄介なポイントです。
- 中期: 散歩の途中で座り込む、散歩を嫌がる、元気がなくなる、時折「ケホケホ」と乾いた軽い咳をするようになります。
- 後期: 貧血が進んで結膜や歯茎が白っぽくなり、毛艶が急激に悪化します。さらに右心不全からお腹に水が溜まる(腹水)ようになり、呼吸が常に浅く苦しそうになります。
※特殊なケースでフィラリアが大量に寄生すると、血尿やショック症状を起こすことがあります。この状態は命に関わるため、緊急手術が必要になる場合があります。
「猫には関係ない」は大間違い!猫のフィラリア症のリアル
多くの飼い主様が「フィラリアは犬だけの病気」だと思い込んでいますが、これは大きな間違いです。フィラリアは猫にも100%感染します。
猫は犬と違って本来の宿主ではないため、虫が成虫まで生き残る確率は低いです。しかし、そのぶん猫の細い血管や小さな心臓にとっては、たった1〜2匹の寄生であっても身体へのダメージは致命的になります。
また、猫のフィラリア症は犬のように簡単な血液検査で診断することが極めて難しいため、発覚が遅れがちです。
【猫のフィラリア症の恐ろしさ】
症状としては慢性的な咳や嘔吐がみられますが、「猫喘息」や「毛球症」と誤診されやすいです。そして恐ろしいことに、何の予兆もなく、ある日突然急性呼吸困難を起こしてショック死(突然死)してしまうケースが実際に報告されています。愛猫をこの悲劇から守るためにも、猫のフィラリア予防は絶対に不可欠です。
2. 【2026年版】なぜ「通年予防」がおすすめなの?温暖化時代の新常識
フィラリア予防において、最も多くの飼い主様が誤解しているのが「いつまで飲ませるべきか」という投与期間の考え方です。まずは、予防薬が効果を発揮する医学的な仕組みを知っておきましょう。
【重要】予防薬は「虫除け」ではありません!
フィラリアのお薬は、体内に蚊を寄せ付けないためのバリアではありません。体内に侵入してしまったフィラリアの幼虫を、心臓や血管に到達する前にまとめて体内で退治する(駆虫する)お薬です。そのため、「今月蚊に刺された分を、1ヶ月後にリセットする」というサイクルで毎月投与します。
従来の予防法では、春から冬にかけて(例えば5月から12月まで)といった季節限定のスポット投与が主流でした。しかし近年の地球温暖化に伴い、寒川町周辺でも蚊の活動時期の予測が年々困難になっています。さらに、冬場であっても高断熱・高気密のマンションや室内で蚊が生き延びているケースは珍しくありません。
そこで、2026年現在、獣医療界や当院において強く推奨しているのが、1年を通して毎月お薬を与える「通年予防」という新しい常識です。通年予防をおすすめするのには、主に以下の3つの理由があります。
通年予防をおすすめする3つの理由
- 「いつから、いつまで?」の迷いやストレスがゼロになるから
毎年「もう蚊が出始めたかな?」「まだ秋だけどやめて大丈夫?」と悩む必要がなくなります。毎月決まった日に与え続けるだけで、1年を通して完璧な予防体制をキープできます。 - 最も危険な「最後の1回の飲み忘れ」を完全に防げるから
季節限定予防で最も多い感染原因は、「もう冬で蚊を見かけないから、最後の1回(12月分)は飲ませなくていいや」という自己判断による中断です。通年予防にすることで、こうしたうっかりミスによるすり抜け感染を100%防ぐことができます。 - 冬場も活動するノミ・マダニも一緒に年中ブロックできるから
暖房の効いた室内は、ノミやマダニにとっても非常に快適な環境です。通年予防なら、冬の間の寄生虫リスクも一括で排除できます。
3. ノミ・マダニも同時に対策!人にも感染して死に至る恐怖の「SFTS」とは?
愛犬・愛猫を脅かす外部寄生虫といえば「ノミ」と「マダニ」です。特に草むらや公園、河川敷などに多く生息するマダニは、単にかゆみを引き起こすだけでなく、恐ろしい感染症を媒介します。
その中でも、近年大きな脅威となっているのが「SFTS(重症熱性血小板減少症候群)」です。
人と愛犬・愛猫の命を奪う「SFTS」の危険性
SFTSは、主にSFTSウイルスを保有するマダニに咬まれることで感染する病気です。この感染症の最も恐ろしい点は、「動物だけでなく、人間にも感染し、極めて高い確率で死に至る」という点にあります。
- 愛犬・愛猫が感染した場合: 発熱、嘔吐、下痢、元気がなくなる、血小板減少による出血傾向などが見られ、致死率が非常に高い危険な状態になります。
- 飼い主様への二次感染: SFTSに感染した愛犬・愛猫の唾液や体液に直接触れることで、飼い主様をはじめとする人間に二次感染します。人間が発症した場合、有効な治療薬やワクチンは存在せず、致死率は10%〜30%にものぼります。
SFTSはかつて西日本での発生が中心でしたが、マダニの生息域拡大とともに、現在は関東地方を含む東日本でも感染例や死亡例が相次いで報告されており、寒川町周辺でも決して他人事ではありません。さらに、暖かい室内に入り込んだノミが爆発的に大繁殖し、ペットだけでなく人間まで激しく吸血されてアレルギー性皮膚炎に苦しむ被害も後を絶ちません。
愛犬・愛猫にマダニやノミを寄生させないことは、動物たち自身を守るだけでなく、飼い主様やご家族の命と健やかな生活を守ることに直結しているのです。
当院がおすすめするのは、手間いらずの「オールインワン薬」
これら全ての脅威から家族を守るために、ブリス寒川動物病院では、基本的にフィラリア予防と同時にノミ・マダニ駆除、お腹の寄生虫駆除まで1つでカバーできる「オールインワン薬」を推奨しています。
以前は、「フィラリア薬は毎月15日」「ノミマダニ薬は毎月30日」のように、お薬の種類ごとに投与日をバラバラに管理しなければならず、飼い主様のスケジュール管理や買い忘れのストレスが非常に大きな問題でした。
当院がおすすめするオールインワン薬であれば、月に1回美味しいおやつをあげる感覚で全ての寄生虫予防が完了します。猫ちゃんには、背中に垂らすだけのスポットタイプのオールインワン薬もご用意しております。
4. 投与開始前の「血液検査」が絶対に必要な理由と「健康診断」のススメ
フィラリア予防を新しくスタートする、あるいは継続する際、動物病院では必ず事前に血液検査を行います。「毎月しっかり飲ませていたはずだから、検査をせずに薬だけほしい」と思われる飼い主様もいらっしゃいますが、血液検査には愛犬の命を守るための医学的な絶対条件があります。
感染を知らずに薬を飲ませると、ショック死を招く危険がある
万が一、前年の投与にズレがあったり、最後の投与を忘れたりして、気付かないうちにすでにフィラリアの成虫が心臓に寄生(感染)していたとします。この状態で安全確認をせずに新しいシーズンの予防薬を飲ませてしまうと、お薬の強力な成分によって、血液中にいる無数のミクロフィラリア(フィラリアの赤ちゃん)が一斉に死滅します。
その結果、大量の死骸が肺の細い血管に一気に詰まってしまったり、死滅時に放出される成分によって激しいアナフィラキシーショック(急性過敏症反応)が誘発されます。血圧低下によるぐったりとした虚脱、呼吸困難、激しい嘔吐、けいれんなどを起こし、最悪の場合はお薬を飲ませてからわずか数時間でショック死に至るケースがあります。予防するためのお薬が、最悪の事故を招くトリガーになってしまうのです。
血液検査は「安全の証明書」
血液検査は、わずか数滴の採血を行い、体内にフィラリアがいないことを確認するだけの簡単なものです。この検査を行うことで、初めて安全にお薬を投与できる状態であることを証明できます。なお、ネット通販などで血液検査をせずに薬だけを購入して飲ませる行為は、愛犬の命を危険にさらす非常に危険な選択ですので、絶対におやめください。
一度のチクッで安心をプラス!「春の健康診断」を同時に受けるのがスマート
フィラリア検査を行うためには、どうしても一度チクッと針を刺して「採血」をする必要があります。ワンちゃんや猫ちゃんにとっては少なからずドキドキする瞬間です。
そこでブリス寒川動物病院では、この一度の採血のタイミングを最大限に活かして、全身の血液健康診断(内臓数値などのチェック)を一緒に行うプランを強くおすすめしています。
フィラリア抗原検査に必要な血液に少しプラスするだけで、肝臓・腎臓の数値、血糖値、コレステロール値、さらには赤血球や白血球のバランスなど、全身の健康状態がわかる精密な血液検査を行うことができます。
動物は人間の4倍以上のスピードで年齢を重ね、不調を隠すのがとても上手です。何度も痛い思いをさせることなく、年に一度の確実な健康チェックが一度に完結する「フィラリア検査+健康診断」の同時受診は、愛犬・愛猫への負担も最小限に抑えられる非常にスマートな選択です。
5. もし「飲み忘れ」に気づいたら?期間別の対処法
「毎月15日に飲ませるはずだったのに、気がついたらもう25日だった!」「まるまる1ヶ月分丸ごと忘れていた!」
飼い主様もうっかり忘れてしまうことはあります。慌てず焦らず、まずは経過した期間を確認して冷静に対応しましょう。
【パターンA】数日〜2週間程度の遅れ
【すぐに対処できること】
気づいたその日に、すぐに当月分のお薬を飲ませてください。次回からの投与スケジュールは、その「実際に飲ませた日」を起点に1ヶ月後に再調整すれば大丈夫です。この程度のズレであれば、お薬の有効成分が幼虫を駆除できる猶予期間内に収まっているため、感染リスクが高まることはほとんどありません。
【パターンB】1ヶ月以上の遅れ
【自己判断で飲ませず、まずは必ず当院へご相談ください】
前回の投与から1ヶ月以上空いてしまった場合は、絶対に自己判断で手持ちの薬をすぐに飲ませてはいけません。飲み忘れた時期(蚊の発生ピーク時なのか、そうでないのか)や、これまでの予防の状況などによって、医学的な対処法が大きく異なります。
このまま飲ませるとショック症状を引き起こす危険性もありますし、反対にお薬を休むべき時期なのか、今すぐ血液検査をして再開すべきなのか、状況に合わせた判断が必要です。まずは慌てずにお電話、またはLINEにて当院にご相談いただき、適切な指示を仰いでください。
【絶対にやってはいけないこと】2ヶ月分を一度にまとめて飲ませる
「先月分を飲み忘れたから、今月は2回分まとめて飲ませよう」とするのは非常に危険です。フィラリア薬は1回分の規定量でその瞬間にいる幼虫をリセットするための薬であり、まとめて飲ませても過去の分の効果は戻いません。それどころか過剰投与による薬物中毒や、深刻な副作用を招くだけです。
6. 【Q&A】よくある悩み・不安にお答えします
愛犬・愛猫を飼っている飼い主様から診察室でよくいただくご質問にお答えします。
Q. 室内飼い(マンションの高層階など)でもフィラリア予防は本当に必要ですか?
A. はい、100%必要です。蚊はマンションのエレベーターに乗って高層階まで登ってきますし、飼い主様の服や荷物、玄関のドアの開閉時に容易に室内へ侵入します。「外に一歩も出さないから大丈夫」と油断していた結果、お家の中で蚊に刺されてフィラリアを罹患してしまった愛犬・愛猫を私たちは何度も見てきました。室内であってもリスクはゼロではないため、必ず予防を行いましょう。
Q. フィラリア予防の費用をなるべく抑える方法はありますか?
A. ブリス寒川動物病院では、最も安全で確実な「通年予防(12ヶ月分)」を選択される飼い主様を応援するため、非常にお得なまとめ買い特典をご用意しています。1年分の通年予防薬をまとめてお持ち帰りいただく場合、なんと【10回分の料金で12回分(12ヶ月分)】お渡ししています!実質2ヶ月分のお薬代が完全に無料となりますので、費用をしっかり抑えながら完璧な通年予防を行うことができます。どうぞお気軽にご相談ください。
Q. 子犬や子猫はいつから予防を始めればいいですか?
A. 多くのフィラリア予防薬は、生後6〜8週齢(約1.5〜2ヶ月)から投与を開始することができます。しかし、子犬や子猫は成長スピードが凄まじく、毎月体重が大きく変動します。お薬の適正量は体重ごとに細かく分けられているため、必ず毎月投与する直前に動物病院で正確な体重を測定し、その時期にぴったりのサイズの薬を処方してもらうようにしましょう。体重に合っていないお薬を使用すると、予防漏れの原因になります。
この記事のまとめ
- フィラリア症は蚊を媒介して感染し、心臓や血管に寄生して命を奪うが、適切な予防で「100%防げる」病気。
- 地球温暖化や室内環境の変化を鑑み、現在は「通年予防(1年中毎月の投与)」が安心の新常識であり推奨。
- ノミ・マダニが媒介する「SFTS」は動物だけでなく人間にも二次感染し、致死率が非常に高い極めて危険な感染症。
- お薬は、フィラリア・ノミマダニ・お腹の寄生虫を一度にまとめてブロックできる「オールインワン薬」が最もおすすめ。
- 安全にお薬を飲ませるための事前の血液検査に合わせ、一度のチクッ(採血)で全身の内臓状態なども同時にチェックできる「春の健康診断プラン」が負担も少なくスマート。
- 1ヶ月以上の飲み忘れに気づいた場合は自己判断で薬を飲ませず、時期や状況によって対処が異なるため、まずは必ず当院までご相談を。
- 当院では通年予防をお得に続けられるよう、10回分の料金で12回分(2ヶ月分無料)をお渡しする特別なまとめ買い特典をご用意。
フィラリア予防やノミ・マダニ対策は、愛犬や愛猫にしてあげられる「最高のプレゼントであり、最大の優しさ」です。大切な家族が健康で、ずっと笑顔で一緒にいられるように、正しい知識を持ってしっかりと予防を進めていきましょう。
ブリス寒川動物病院でフィラリア予防を始めませんか?
「一度の採血でできる春の健康診断」や「お得な通年予防プラン」など、当院が優しくサポートいたします。まずは血液検査の予約からお気軽にご連絡ください。